◎慢性痛について
痛みは体の異常を知らせる重要なサインです。
患部を修復する際に炎症が起こりますが、急性の痛みは、基本的には炎症が治まればなくなります。
しかし、炎症が治まっても痛みが続き、慢性化することがあります。 痛みが長引いて慢性化する要因には、
「病気や外傷によって生じた痛みを脳が記憶してしまうこと」
「痛みが伝わる神経にトラブルが起こること」
があります。
病気や外傷に、
「痛みに対する不安・抑うつ」「性格・気質」「家庭や仕事でのストレス」
などのさまざまな要因が重なると、痛みが長引きやすくなります。
また、痛む場所を動かさないでいたり、周囲の人が過剰に安静にさせようとしたりすることで、
痛みが慢性化することもあります。
慢性の痛みはさまざまな要素が重なって起こるため、改善するには「チームケア」が重要になります。
「医師」「理学療法士」「看護師」「薬剤師」「介護士」などがかかわり、
最も適切な治療法を見つけていきます。
慢性の痛みの治療の目的は、多少の痛みがあっても、うまく付き合いながら生き生きと生活できるようにすることです。
患者さんが「自分もチームケアの一員」と考えて積極的に治療に取り組んでいくことが、
慢性痛改善の大きな一歩になります。