高齢者にみられる筋力低下及びその原因や予防について
こんにちは。ラ・アケソニア相談員水谷です。
私は介護施設で10年以上相談員として勤務して参りました。
その中で数多くの利用者様と関わる機会がある中、
つい先日迄一人で歩く事ができ、生活も出来ていた方が
入院をきっかけに筋力が低下し、車椅子無しでは生活できない方も数多く見てきました。
その様な事例を目の当たりにし、また私自身前職は整骨院で柔道整復士として働いていた経験もございますので、
ADL低下を防ぐ為のちょっとした運動を継続することによって、
筋力低下を予防できないかなと思い、地域貢献活動の一環として
座りながら楽に足を動かし、下肢筋力を付け足腰を鍛える運動について紹介したいと思います。
筋力低下の原因
まず高齢者にみられる筋力低下には大きく2つのタイプがあります。
1つは加齢変化によるもので、サルコペニア(加齢性筋萎縮・筋力低下)といいます。
もう1つは廃用(不動)による廃用性筋萎縮・筋力低下です。
いずれも高頻度で高齢者に認められるもので、立ち上がり動作や歩行、
階段昇降などの日常生活活動(ADL)動作の制限にかかわるとされています。
実際介護施設に入所される方の事例として多いのは
自宅で転倒し大腿骨を骨折され病院で手術、リハビリを行い復帰を目指す事が多いが、
リハビリを行っても転倒する以前のように自由に歩くことができず
車椅子生活を余儀なくされるケースもあります。
また、転倒だけでなく加齢と共に外に出歩く機会も少なくなり徐々に筋力が低下していくケースもあります。
また、退院後介護施設でリハビリを行うものの
加齢に伴う筋力低下が原因で思っている程改善が見込めない利用者様もいます。
一度車椅子生活になってしまうとそこから2度と自立歩行等が出来なくなるケースもよくあるので、
状態が悪化する前に日々無理なく簡単な運動を日々行っていただくと良いかと思います。
ラ・アケソニア支援相談員 水谷 勇
① 太ももと上げる運動
椅子に座りながら太ももを左右交互に上げる運動です。
注意点としては下記の写真のように背筋が曲がらないようにしていただき膝を90°に
曲げた状態で左右交互に上げて下さい。回数は左右交互に50回を2セット行う程度
効果:太もも(大腿四頭筋)と腰(腸腰筋)の強化を図る。
② 内ももを動かす運動
クッションや柔らかいボール等を挟み内ももに力を入れ
両足を内側にゆっくり押し込むような形でボールを凹ませる・戻す運動を10回x5セット繰り返す。
効果:内もも(内転筋)の強化を図る。
③ 膝の伸展運動
片膝ずつ10回x2セットをゆっくりと曲げ伸ばしする。
効果:太もも(大腿四頭筋)の強化を図る。
④ つま先上げ・かかと上げ運動
爪先をゆっくりと10回上げ、次いでかかとを10回上げる。この各動作を3回行う
効果:ひざ下(前脛骨筋・腓腹筋・ヒラメ筋)の筋力向上を図る。