【リハビリコラム】変形性膝関節症について

皆様、こんにちは

長かった寒い冬がようやく終わり、少しずつ過ごしやすい気候となって参りました

桃の節句も過ぎて、いよいよ春の到来ですね

 

さて、私たちは皆様とリハビリを行うに当たって、「痛み」というものに日々向き合っています。

本日は、皆様が痛みを訴えられることの多い膝の痛み「変形性膝関節症」についてお話ししていきます

 

〇変形性膝関節症とは

膝関節は、上の骨(大腿骨)と下の骨(脛骨)が、直接ぶつからないように、軟骨というもので覆われて、クッションの役割を果たしています。

この軟骨が、加齢や過度な負荷によってすり減ることで、膝関節内の滑膜(かつまく)を刺激し、炎症を引き起こします。

そして、大腿骨と脛骨の隙間が狭くなり、次第に隙間がなくなっていきます。それに伴い、関節が変形し、痛みが出現する状態を変形性膝関節症と言います。

 

〇症状と経過

初期では、立ち上がりや歩き始め(1~2歩)などで、膝を動かした時に違和感や、軽い痛みを認めます。この時期は座って休息を取ることで、痛みが取れる場合がほとんどです。

 

中期では、炎症が進み、膝が腫れて熱をもつことがあります。そして、膝の曲げ伸ばしの動きが制限されていきます。また、膝と膝の間に指が2本入る程のO脚になってしまう方が多いです。

徐々に痛みの頻度が増えて、正座やしゃがみ込み、階段の昇り降りなどの動作が困難になってきます。

末期では、膝の靭帯のバランスが悪くなり、筋力の低下も加わって、膝がグラグラした不安定な状態になってしまいます。また、大腿骨と脛骨がぶつかって骨棘という変形した骨が形成されることがあります。

この時期には、O脚も進行し、膝と膝の間にこぶしが1個入る程の変形を認める方もいらっしゃいます。やがて、安静時や睡眠時にも激しい痛みが続くようになってしまいます。

 

〇対象

変形性膝関節症は、高齢になるにつれ罹患率が高くなり、男性1:女性4の割合で女性に多くみられます。

女性の方が多くみられる原因は明確ではありませんが、膝を支えている筋肉が、男性より女性の方が少ない傾向にあることや、ハイヒールが膝に負担がかかりやすいことなどが影響していると考えられています。

また、肥満の方にも多くみられ、体重が1㎏増加すると、膝にかかる負担は約4倍になるとも言われています。

 

 

〇治療法

治療は、「運動療法」、鎮痛剤やヒアルロン酸注射を用いる「薬物療法」、ホットパックや超音波治療などの「物理療法」と、「手術療法」に分けられます。末期になるにつれて、手術療法が選択される場合が多いです。

手術の方法も様々ありますが、手術後は、ほとんどの方が荷重(体重をかけること)の制限はありません。例外を除き、痛みが少ない方は、手術の翌日から歩行訓練も開始できるようになります。

 

皆様、変形性膝関節症に対して、概ねの内容はご理解いただけましたでしょうか

次回のブログは、変形性膝関節症に対して注意することや、運動療法について詳しくご説明いたします

 

 

 

  
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